大阪デザイン振興プラザさんが主催をされた「福祉現場で生まれるアート展」、
デザインと福祉の可能性を探るシンポジウムが、無事に終了いたしました。
やまなみ工房 山下さん、
SWING 木ノ戸さん、
たんぽぽの家HANA 吉永さん、
ダブディビデザイン 柊さん
この4名の登壇者に対して、モデレーター役の僕自身、障害者アートのことはまだまだ勉強中の身という、
なんとも恐縮してしまうような立場での進行でした。
ODPは大阪のデザイン業の皆さんを応援する専門的な機関。今回は、デザイナーと福祉の接点を探り、彼らの職域を広げるチャンスが見つかるのか!?という、もう1つのミッションを抱えながらの180分でした。
こちらからの投げかけは、以下の7つ。
【問1】一人一人の作品の中にある「モチーフ」「視点のおもしろさ」は、どうやって生まれるの?
【問2】作品展示の際、作家が描いてきた制作過程を伝えるべき?
伝えないままでいい?
【問3】「作品が売れる」「作品が商品化される」時、障がいある作家たちは、どう感じているの?
【問4】デザイナーが福祉現場で生まれるアートを商品化したいと相談を持ちかけた場合、気をつけておくべきポイントは?
【問5】商品化を目指す場合、デザイナーが作品をよりよくするために心がけるべきことは?
【問6】今まで生み出したアート商品の中で、これは多くの人に届いた!というものを教えてください
【問7】まだまだ、多くの人に知られていない福祉現場で生まれるアートの世界。今後、どう広がっていくべきだとお考えてらっしゃいますか?
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どんな出会い方があるにせよ、もし障害者アートの作品を使って、別の新しい何かを生み出したいの望むなら、
「瞬間的な欲求でなく、誠心誠意の力の尽くし方を持って、それに関わるのか?」
「作家に対する敬意、理解をしようとする心持ちがあるのか?」
「成功しても成功しなくても、作業所に、作家に、時間をかけて、寄り添いながら作っていくスタンスがあるか?!」
という、
誰かとともに動いていこうという、
人として当然のことを、
きちんとできるか、できないかが1つの線引きなのだと改めて感じることができました。
障がい、価値観、立場など、
生きてきた時間、触れてきた環境、出会いによって、
いろいろな気持ちが交錯するのが難しい。なので、僕自身も時間をかけて、1つ1つのモヤモヤを消化していきたいと思います。
それでも、追加で客席を増やすくらいの大盛況ぶり。
それは明らかに、各作業所が誠実に、じっくりと育て上げてきた信頼があってこそ。
心からその事実に、敬意を払いたい。
ご来場いただき、ありがとうございました!